「割り切れる」とはどういうことか ― 整数論はなぜ mod から始まるのか
mod 演算は「情報を捨てる射影」です.時計・曜日・競プロの 10^9+7 がすべて同じ構造をもつことを見抜き,整除の定義から合同式,Z/nZ の環構造への入り口までを解説します.
ユークリッドの互除法はなぜ「最大」公約数を見つけるのか ― 引き算から割り算へ
gcd(a,b)=gcd(b, a mod b) という再帰の背後にある不変量を明らかにし,引き算による素朴な方法から割り算への改良,ベズーの等式,拡張ユークリッドによる逆元計算までを解説します.
素数はなぜ「原子」なのか ― 算術の基本定理が言っていること
素因数分解の一意性は「当然」ではありません.Z[√-5] での反例を通じて一意性の崩壊を実感し,算術の基本定理の存在証明と一意性証明,エラトステネスの篩と線形篩を解説します.
フェルマーの小定理はなぜ成り立つのか ― 剰余の世界の「対称性」
(Z/pZ)* の群構造からフェルマーの小定理を導き,a^{p-2} が逆元になる根拠を明らかにします.集合 {a, 2a, ..., (p-1)a} が {1, 2, ..., p-1} の置換であることの直感的な理解を中心に解説します.
中国剰余定理はなぜ「合体」できるのか ― 連立合同式の魔法
CRT を分割統治の整数論版として捉え,環の同型 Z/mnZ ≅ Z/mZ × Z/nZ の直感的意味と,Garner のアルゴリズムによる競プロ応用までを解説します.
二次剰余の世界 ― なぜ「平方数 mod p」は半分しかないのか
x→x^2 が 2:1 写像であることから二次剰余が (p-1)/2 個しかない理由を直感的に理解し,ルジャンドル記号,オイラーの規準,二次の相互法則の「驚き」,Tonelli-Shanks アルゴリズムを解説します.
連分数と有理近似 ― 無理数を「一番良い分数」で近似する
連分数がユークリッド互除法の別の顔であることを示し,収束分数による最良有理近似,√2 の連分数展開,ペル方程式,Stern-Brocot 木を解説します.
整数論と暗号 ― RSA暗号はなぜ安全なのか
フェルマー・オイラー・拡張ユークリッドが RSA 暗号の各パーツに対応することを明らかにし,鍵生成・暗号化・復号の仕組みと安全性の根拠(素因数分解の困難性)を解説します.シリーズの総括としてすべての定理の繋がりを振り返ります.