準同型定理 ― 群の構造を見抜く3つの定理
第一同型定理(準同型の像は商群に同型)を中心に,第二・第三同型定理を証明します.各定理の意味を可換図式で整理し,具体例で計算の実際を示す,群論の最重要定理群の教科書的解説です.
1 導入
群準同型が与えられたとき,の核と像の間にどのような関係があるだろうか.第一同型定理は
2 第一同型定理
3 第一同型定理の応用
4 第二同型定理(ダイヤモンド同型定理)
は の部分群
5 第三同型定理
6 同型定理の使い方
同型定理は以下のような場面で使われる:
商群の同定:「この商群は何に同型か?」に答える.適切な準同型を構成して核を計算し,第一同型定理を適用する.
部分群の位数の計算:第二同型定理から が得られ, を導ける.
商群の商群:第三同型定理により,二重の商を一重に簡約できる.
7 まとめ
本記事で扱った内容:
第一同型定理:
第二同型定理:
第三同型定理:
各定理の具体的な計算例と応用
の公式
これら3つの同型定理は,群の構造を解析するための基本的な道具である.次のステップとしては,群作用の理論(軌道・固定部分群・類等式)に進み,そこからシローの定理へと至る.