群論まとめ:定義・定理・証明を一覧で整理【学部代数学】
群論の全体像を一記事で.群の公理からSylowの定理・有限アーベル群の構造定理まで,学部代数学に必要な定義・定理・証明を体系的にまとめた.各定理の依存関係図付き.
群の定義と基本性質 ― 群論の出発点を固める
群の公理的定義から出発し,単位元・逆元の一意性,消約法則,べき乗の性質を証明します.さらに部分群の判定法,巡回群の構造,元の位数まで,群論の土台を一つずつ積み上げる教科書スタイルの解説です.
剰余類とラグランジュの定理 ― 有限群論の最も基本的な定理
部分群による剰余類の定義から始め,ラグランジュの定理(部分群の位数は群の位数を割り切る)を証明します.指数の概念,フェルマーの小定理・オイラーの定理への応用,さらに逆が成り立たない例まで丁寧に解説します.
正規部分群と商群 ― 群を「割り算」する
正規部分群の定義と同値な条件を整理し,剰余類の集合に群構造を入れて商群を構成します.自然な準同型,指数2の部分群が常に正規であること,単純群の概念まで,群論の中核を体系的に解説します.
準同型定理 ― 群の構造を見抜く3つの定理
第一同型定理(準同型の像は商群に同型)を中心に,第二・第三同型定理を証明します.各定理の意味を可換図式で整理し,具体例で計算の実際を示す,群論の最重要定理群の教科書的解説です.
群作用と類等式 ― 群が集合を「動かす」理論
群作用の定義から出発し,軌道・固定部分群・軌道安定化群定理を証明します.バーンサイドの補題,共役と類等式,$p$群の中心が非自明であることの証明まで,シローの定理への準備を完成させます.
シローの定理 ― 有限群論の頂点
Cauchyの定理(素数位数の元の存在)を証明した後,シローの3つの定理(シロー部分群の存在・共役・個数)を証明し,具体例で応用法を示します.位数12, 15, 30の群の分類など,シローの定理を用いた群の構造決定の実際を解説します.
直積と半直積 ― 群の組み立て方
既知の群から新しい群を構成する基本的な方法である直積と半直積を解説します.内部直積と外部直積の同値性,半直積の定義と構成法,二面体群や対称群の半直積表示など,群を「分解して理解する」技法を体系的に学びます.
有限アーベル群の構造定理 ― 完全な分類
有限アーベル群が巡回群の直積に分解されることを証明します.素因子分解による一次分解,不変因子と単因子(初等因子)による二つの標準形,具体的な分類の手順を体系的に解説します.
合成列と Jordan-Hölder の定理 ― 群の素因数分解
正規列・合成列の概念を導入し,群を単純群に分解する枠組みを構築します.Jordan-Hölderの定理により合成因子の一意性を証明し,可解群の定義と判定法を解説します.群の構造を「素因数分解」する理論です.
有限群の分類への展望 ― 単純群からの構成
有限群論の全体像を俯瞰します.有限単純群の分類定理の概要,散在型単純群の紹介,バーンサイド問題やFeit-Thompson定理など群論の金字塔を解説し,抽象代数学が何を達成し何が未解決かを展望します.